曽根西ノ丁







曽根西ノ丁の屋台の特徴は、屋根に宮本の印として梅鉢の紋を付けている。梵天は、四面とも対の鯱を配置している。この鯱の特徴として、全ての鰭が反りあがり、攻撃型となっている。その鰭は九つにわかれており、もっとも神に近い形を表している。製作年代は非常に古く、古老に聞いても、文献を調べてもわからない。昭和や大正のものでないのは確かである。また、その金具は手彫りで、玄人好みになっている。
狭間は播州の名工、初代中山龍雲の遺作であり、製作に2年を費やしている。四面それぞれ、前に「菅公ゆかりの御殿」後ろに「楠公櫻井の決別」右に「賤ヶ嶽の合戦」左に「巴御前の奮戦」を表している。どれも人物が克明に刻まれており、素晴らしいの一語につきる。梵天とともに西ノ丁屋台の宝物である。
しかしながら、一番の誇りは、役員・練子・町民が一体となって参加する熱気と心意気である。この熱気と心意気を次代に引き継いでいる。